ポケ迷宮。

ネッツの端っこにあるヴィオののんびり日記的な旧時代的個人ブログ。大体気に入ったゲームについて語ってます。

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あと何度、君を殺せば、
 災厄(セカイ)は終わってるくれるのか――。

 【公式サイトはこちら】

 「一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう」「結婚主義国家」を手掛けたWaterPhoenixと、ガラケーRPGで有名かつ今まで「トガビトノセンリツ」「レイジングループ」を含む6タイトルのADVゲーを出してきたKEMCOの共同制作。
 イラスト・シナリオはWaterPhoenixのR氏が、監修をKEMCOのamphibian氏が行っています。


@対応機種
PS4:18年8月23日(DL版・パケ版同時発売)
Switch:18年9月20日

 100%クリア時間は30時間程度。
 本作はADVのゲームなので、ADVらしく、なんちゃってチャート式にご紹介。


☆1.ノベルADVってどういうゲームなんですか?
☆2.透明人間が見える世界で生きること
☆3.キャラクターの少なさを補う表情と感情
☆4.ノベルゲーの機能は完璧
☆6.まとめ






☆1.ノベルADVってどういうゲームなんですか?
  知ってる→2へ
  知らない→このままお読みください

 「ひぐらしのなく頃に」
 「AIR」
 「Steins ; Gate」
 「アンジェリーク」
 「CLANNAD」
 「金色のコルダ」
 「428」
 「fate」
 等といった作品をご存知でしょうか。
 いずれもノベルADVの中では有名な部類で、漫画化やアニメ化等のメディアミックス展開も行っている作品もあります。

 基本的に文字を読んで物語を進めていき、ものによっては一本道だったり、いろんなエンディングが存在したりする、少し自主的に読める小説のようなものになっています。

 ADVとはAdventureの略で、名前の由来になったのは一本のゲームであり、単純に和訳で「冒険」という意味ではありません。
 実はゲームのジャンル分けでADVと言うと、ややこしい歴史を辿ってきたせいで色んなゲームが引っかかってしまいます。この辺語るとややこしくなるのでここでは語りません。

 ノベルADVというだけでも、ミステリーだったりギャルゲー(男主人公に複数の女キャラクターがラブアタック)だったりエロゲーだったり乙女ゲー(女主人公に複数の男キャラクターがラブアタック)だったりします。
 RPGと一言で言ってもARPGだったりSRPGだったり女の子いっぱいだったり色々ありますし同じような感じと思っていただければいいのかなと思います。




☆2.透明人間が見える世界で生きること
  俺はゲームやる前にストーリーの概要すら読まねぇよ!→3へ
  知りたい→このままお読みください


透明人間の少女・クロと、透明人間しか見えない少年・豹馬。
互い違いの孤独を埋めるため、寄り添って生きる2人に、
やがて“災厄”は牙を剥き、残酷な世界が立ちはだかります。

パラレルワールド。透明人間。神隠し。全知の石板。
繰り返される滅びと別れの果て、完全なる絶望が訪れる前に、
不条理な世界の謎を解き、救いに至ることはできるでしょうか?


 必然にして未然だった出会いから始まる、悲しみと超克の物語。
(公式サイトより)


 このストーリー概要やゲームタイトルから解るかと思いますが、ストーリーは概ねシリアスに展開していきます。
 主人公が男の子でヒロインが女の子なのだからギャルゲーみたいな雰囲気が無くは無いですが、恋愛ものではありません。選べるわけでもありません。複数のEDがありますが、ボリュームは多くは無く、トゥルー以外のエンドはバッドエンドになっています。


 大筋にあるのは透明人間と、透明人間しか見えない人間のお話であるということ。
 そんな特殊な環境下で出会った少年と少女のお話です。

 主人公・豹馬はヒロイン・クロしか見えませんし声も聞こえません。
 ヒロイン・クロは透明人間で、誰にも見てもらうことはありません。唯一姿が見えるのは主人公だけです。


↑主人公・豹馬は人を見たり声を聞いたりできないため、ヒロイン・クロに代弁してもらって会話をして『普通の』生活をしている。

 寄り添いあって暮らす二人の生活とは?
 中々想像しにくい設定であるため感情移入しにくいのでは?と思う方もいらっしゃると思いますが、心情描写は丁寧にされているのでその心配は必要ありません。

 主人公の苦労も解るし、クロの気持ちもよく解ります。
 自分の姿すら見えず声も聞こえず自分の存在を認識出来ないと苦悩する主人公や、透明で誰にも見てもらえない事に恐怖するクロなど、一つひとつ新しい壁が現れる度に二人が協力して乗り越えていく様は応援したくなります。

 最初はのんびりとプレイしていましたが、物語が進んでいくにつれて一日のプレイ時間が自然と伸びていきました。
 それだけ熱中できたし、二人の行きつく先が気になってしまいました。


↑ヒロイン・クロと主人公・豹馬の対話シーン。時には辛い出来事があったとしても、主人公とクロがお互い支え合って成長していく。

 そしてその二人を襲う災厄とは?
 タイトルにも含まれている単語で、パッケージに書かれている公式のジャンルも「限りなく透明で残酷な”災厄世界系”ノベルADV」と書かれています。
 彼らに襲い掛かったのは透明人間であることと、透明人間しか見えないことだけではないのです。

 そもそも透明人間とは何なのか。
 災厄とは一体何なのか。

 そして行きつく先に出す主人公やヒロインの答えは。

 是非それはその目で確かめていただきたいと思います。

 ちょっと一言だけ。
 レビュー読んでるとたまに「レイジングループの作者の作品と言うことで買いましたが……」みたいな事書いてる方いますけど違いますので。レイジングループの作者は監修です。そこを履き違えないようにしていただきたいと思います。それで勝手にデスゲームものを期待する人もいるみたいなので念のため。




3.キャラクターの少なさを補う様々な表情と感情
 それもゲームを始めてから自分だけで感じたいんだ!→4へ
 是非教えてほしい→このままお読みください

 先程から話していることと変わりませんが、登場人物はいたってシンプルです。
 主人公・豹馬と、主人公が唯一見ることのできる人間、クロだけ
 もちろん他にも人間はいますが、主人公には見えないし声も聞こえないので、立ち絵やボイスが現れることはありません。
 同様に主人公は主人公自身の姿も声も見えないため、主人公のボイスや立ち絵はありません。


 だけど、一番最初に記事に貼っていた画像であれ?と思った方もいるのでは?
 だってヒロインらしき人物が5人映ってますよね。水たまりのうらっかわに。
 確認してない方はもう一度。



 判りましたか?
 這っている少女の下に同じ少女のの姿が五人映っているのを。

 そうなんです。何故かクロが五人に分裂(?)しちゃうんです。

 何のこっちゃっていう感じですね。

 所謂平行世界ものです。
 主人公が平行世界を移動することはありませんが、ヒロインであるクロだけが5つの世界を行き来できます。
 最初の時点から微妙に違っており、豹馬がクロと出逢った時にソフトクリームを渡すシーンがあるのですが、その渡したソフトクリームの味から違うようなのです。
 それぞれ、

「豆腐世界」
「キナコ世界」
「みそ世界」
「納豆世界」
「豆乳世界」

 と呼ばれています。ええ、これでもソフトクリームの味です。
 クロの呼び方も、

「ふー」(豆腐世界)
「キナ」(キナコ世界)
「みー」(みそ世界)
「なつ」(納豆世界)
「にゅー」(豆乳世界)

 とあだ名がつけられていきます。同じクロだと不便ですものね。


↑お互い食べたアイスで騒ぎ出すクロたち。他の世界のクロは存在できるもののその世界のものに干渉できない。声も発することが出来ないため筆談であるため紙と鉛筆を常に持ち歩いている。


 最初は見た目も性格もほぼ同じでこんなん覚えられるかー!と思っていましたが、成長するとお互いが刺激しあって徐々に個性が出て色んな表情を見せてくれます。それぞれのクロに焦点が当てられていきます
 はっきり言って可愛いです。


↑出会った頃に比べて成長したクロ達。服装や性格、表情などそれぞれが別の可愛さが垣間見える。可愛い。

 クロのボイスについても一人の方が演じ分けしていらっしゃるのですが、非常に上手いです。幼いクロから少し成長して差が付き始めた5人のクロまでとても魅力的。目を瞑っていてもどのクロが喋ってるかっていうのが凄くよく解る。

 そしてシナリオライターとイラストレイターが同じ方なので、感情が伝わりやすかったですね。表情差分は相当あります。スチルも比較的多めです。

 このゲーム、そんなヒロインしか見えなかったり、ヒロインが5人になったりみたいな設定なので、主人公とヒロインの関係や心情が理解できなければこのゲームは相当辛いと思います。
 また、最初はちょっと大丈夫か?って思う二人の関係や性格も受け止めて最後までやってもらえるとすっきりするところはあるのかなって思います。
 そういう意味では、好みは分かれると思います。良くも悪くも「クロを愛でるゲームである」ので、クロに嫌気がさしたり、主人公についていけなかったりするとこのゲームは楽しめないと思います。

 単純にヒロインといちゃこらする話でもないってのもストーリーでお話した通りなのですが……。




☆4.ノベルゲーの機能は完璧
  その一言で理解した→5へ
  一体どんな機能があるの?→このままお読みください

 ノベルゲーといえばこれらの機能がないと始まらない。


@快適なUIの数々
・チャート毎へいつでもどこでも飛べる
・テキストはオート、早送り共に可能
・テキストログの閲覧
・選択肢前オートセーブ
・どこでもセーブ&ロード可能
・ギャラリーでいつでもスチル確認

 チャートを見れば今5つの平行世界の内どの世界のお話をしているのかというのもすぐ解ります。

 また、CEROはCです。
 若干血があったりもしますが、エグいシーンというよりも精神的にきついシーンのが多い気がします。
 駄目な方用に、ちょっとグロなシーンは「××」と伏字にしてくれる機能もあるとかないとか。
 それでも、苦手な人は出来れば止めた方が良いのかな、と思います。何しろこのゲームのキャッチコピーは「あと何度、君を殺せば、災厄(セカイ)は終わってるくれるのか――。」なんですから、そういうシーンがないと言えば嘘になります。




☆まとめ:クロに癒され、クロに心を痛め、クロに助けられるゲーム



 色々と言ってきましたが、主人公とヒロインのボーイミーツガールから始まり、そのままその二人の物語が最後まで続いていくお話です。

 透明人間しか見えない主人公と、透明人間のクロがお互いを支え合い、ぶつかる壁を乗り越えて生きていく過程は、とても丁寧に描かれていました

 終始重たい雰囲気ではありますが、可愛らしいタッチの絵と温かいクロの存在があるので、ただひたすら鬱々とはしていません

 体験版等はありませんが、スマートフォンで配信されている「一緒に行きましょう生きましょう逝きましょう」「結婚主義国家」は同じWaterPhenixという会社の作品で比較的安価なので、そちらから手を付けるのも良いかもしれません。そちらは自分は未プレイなので感想を語ることが出来ませんが……(すみません、やりたいんですがスマホでのゲーム忙しくてちょっと他のノベル積んでるので)。







 貴方もクロに出会って、一緒に過ごして、一緒に残酷な運命に抗ってみませんか?
 誰も見えないこの世界で唯一見える一人の少女に、声をかけてみませんか?


 ここまで読んでくださりありがとうございました。
 一人でも多くの方が「最悪なる災厄人間に捧ぐ」に触れていただければ幸いです。

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