2020/01/07 (Tue) PS機ゲーム雑多 十三機兵防衛圏 クリア後感想ネタバレだらけ

12月22日にP5Rをクリアしてからすぐにプレイし始め、1月2日にクリアした。
　クリア時間は35時間。

　面白いしヴァニラの良さをすごく感じたのだけど、同時にあまりにヴァニラ感が顕著過ぎて人を選ぶ作品だと思う。


　面白かった。でも大絶賛してるわけでもないので、そういうの読むの苦手な方はバックしてください。


【プレイヤーデータ】
・ヴァニラウェアの作品は朧村正（Vita版）、オーディンスフィア（Vita版）のみプレイ済。
・普段はRPGや対戦ゲーム、2DACT、音ゲー、パズルゲー等雑多な感じでゲームしてます。

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●ADV部分

　終わった時に思ったのはストーリーよく纏めきったなぁって。
　13人の主人公に役割を持たせて更に彼らを取り巻くサブキャラにも役割を持たせて、それをしっかりと道中を描いて、最後に違和感なく纏めきってる。
　SFお約束なお話、展開を全てごった煮にして、無理なく組み合わせて、更に種明かしていくところは凄いなーと思った。

　疑問点についてはチップスでちゃんと埋められるように（というか、チップス見る前提の作り）、単語や出来事を時系列で並べたりと細かいところに手が届くのはアドベンチャーとしてはしっかりしてると思う。



　きちんと風呂敷を畳んでいるところはさっきも言ったように評価はしているけど、一周しかしない人にはちと辛いものがある……考察好きな人とかが2周目楽しんでね、ってことかもしれない。
　だから、ゲームを一周しかやらないような人間にとっては発見できない事が沢山あると思う。そこは賛否が分かれるところじゃないかな。自分はここについては特にどちらでもいいとは思います。


　グラフィックやキャラの作り方は流石ヴァニラといったところ。
　食べ物が美味しそうなのも流石ヴァニラ。
　何度お腹空いたなぁと思ったことか。

　キャラの背景もしっかりしていて作中でぶれることは無かったと思う。


　好きなキャラは十郎、恵、東雲先輩かな。献身的だけどちょっと恵まれない女キャラが好きなのか？と最近思い始めた。


　それと、超個人的声優トークだけども、田村さんの少年声ってやっぱり最高っすね……。
　後、下野は何故自分のやるゲームの先々にいるのでしょうか。去年はイース9とこれと二人の下野に出会ったよ。びっくりだよ。
　それを言うと早見のがもっと見てるけどね……。



　以下否定意見。


　纏めきってるのは本当に凄い、けど出来れば一人選んだらずっとその人を操作させてほしいなって思う。主人公ごとにテーマあるからぶつ切りにされると、えっと、前何してたっけ？話どっからだっけ？ってなる。今回は一気に進めたけど、穴あきでプレイしてたら要所が絶対記憶に残らない。

　また、せっかくテキストはオート再生で流してくれててログもあるのに、いちいち話の合間にボタンを押すのを強要されるのが……。聞いてる間は手が空くので、その間に別の事も同時進行したがるような自分にはちょっと面倒だった。


　自分が合わないだけなんだけど、やっぱりヴァニラだなぁって思うところが……なんというか、恋愛の部分がね。

　ストーリー途中はまあまだ良いんだが、言いたいのはエンディングの。

　全員カップルにしちゃうのがなんか……東雲と郷登までくっつけなくてもいいだろう……前の恋からの脱却という意味では恋愛した方が良いとは思うけど。
　恋愛の矢印が片方しかない頃から一気にお付き合いまで飛んでるような印象を受けるカップルもあったので、もうちょいそこらへんの描写が欲しかったかな……あったらあったでこんだけカップルいると冗長になる気がするから塩梅難しいけど。


　とても私的な話になるけど、「フルーツバスケット」って漫画あるじゃないですか、アニメも今新しいのやってたりして。漫画持ってるんだけど、あれ話は凄く良いんだけど、最後の最後に全員余すことなくカップルが出来てて超絶ハッピーな様をどーんと見せられて、まだあんのかよ……とげんなりした経験があって、単行本持ってるにもかかわらず一回しか読んでないんですよね。
　この作品も余すことなくカップルが出来るので（話的にも出来ないと始まらないし）、なんかエンディング見てるとまだいちゃいちゃするのか……とか思っちゃって。一部分のいちゃいちゃとかは好きなんだけど、全部いちゃいちゃされると過食気味になってはいはい解ったから早くしろってなっちゃう。

　FE覚醒やifのカップル要素は好きなんだけどな、なんだろう。自分FEやってる時はカプ厨だと思ってたけど、そうでもないのかな。

　だから、エンディングとか個別ストーリーの最後を見るまでは恵と十郎のやきもきする関係が好きだったんだけど、突然十郎側から告白しだしてえぇ……？ってちょっと思った。あんまそんな描写無かったろ……あったとしても話がぶつぶつなので記憶に残らないだけかもしれない。

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●RTS部分

　ノーマルでプレイ。

　実は、RTSとかタワーディフェンスというジャンル、自分は初めてなのかな？
　あ、でもメゾンド魔王がRTSに入るので二つ目かもしれない。実は全然やったことのないジャンルなんですよね。
　そういう人間には非常にとっつきやすい出来ではあると思う。逆に今までバリバリにやってた人には物足りなさそうかな。


　機体は第二世代の万能型って書いてあるのにサポート型よりもサポートしてるところが最高に好きなんだけど、いかんせん何やってもクールタイム長すぎて。

　なんでドローンはシールド貫通なのに、第二世代の置けるセントリーガンにはシールド貫通付けてくれないの？比較したら圧倒的弱さ。普通逆だろ逆。消費もでかいし攻撃頻度も低いしで雑魚散らしにもならないし、シールド貫通しないからでかいのも倒せないしただの置物じゃないか……毎回絶対置いてたけど！好きだから！！置いてたけど！！！でも与ダメが……最終戦は他より第二世代が10レベルくらい低かったな。
　キャラも好きなので十郎や東雲を一番強化してたけどレベルは低かったっす……第二世代不遇なんとかならないかなぁ。冬坂のシールドは強いのかなって思ったけどこれ別に第四で良くない感が。時間経過で無くなるのはやめてもらって、一定ダメージで壊れるなら強かった。


　遠距離型な第三世代も好きで、特にレールガンがしがしあげてた。ロマン砲良いよね……ミサイルレインもいいよね……。
　如月の二連レールガンと、三浦の極細レールガンがほんと楽しすぎますね。ずっとレールガンぶっぱしてたい。

　第一はデモリッシュぶっぱ、第四はドローン飛ばしまくってシールド張ってた。ドローンに上限があると知った時は笑った。




　以下否定意見。


　このRTS部分、かなり大味な気がする。ノーマル程度だと、ドローンが無双してるし、第二世代がすることが無い。
　敵の種類もいまいち視認しづらいし、マップは斜め上からしか表示してくれないし、かゆいところに手が届かない感じ。


　それに十三人いるからといって十三人を操るわけでもないのが……ストーリーは十三人描きたかったが、戦闘だと落とし込めないから脳負荷がどうたらってのを後付けした感じがする。
　ただでさえ十三人もいるのに、カスタマイズ画面もちょっと凝り過ぎてて手間がかかるのがマイナス要素かな。能力一気にあげさせてください。楽しむべきところで手間がかかるのは勿体無いと思う。


　マップの敵も事前に教えてくれないし、残りの敵がどれくらいかも教えてくれないので、プレイ中は戦略の練りようがない。後でまたやってねってことかもしれないけど、後になったらこっちのレベルがあがってるわけで、それこそ戦略なんて必要なくなる。やったらやった分だけレベル上がっちゃうので後がぬるくなるし。

　小型の敵が大量に出てきて無双するマップなんて初見の時は第一世代二機出しちゃったの根に持ってるんすよ……。

　プレイヤーにやらせたいことがいまいち解りにくいかなって思った。
　戦略的にパーティ組んで戦ってほしいのか、どんなキャラ選んでも無双できますよって感じなのか。その都度戦闘を楽しんで欲しいんなら、もうちょい事前情報載せてください。



　一番自分には辛かったのが、RTS部分でロボット見ることが出来ない事。
　え、これロボゲーなのでは……？

　自分自身、特別にロボゲーとかロボ追っかけてるわけじゃないんですけど、何故そこ削った？という感じがしてなりません。ロボ出してたら力入れるところはここでしょ。ゼノクロのドールで走り回ったり、コードギアスのKMFの戦いをテンション上げて見てた自分にはかなり辛い。

　アドベンチャー部分で機兵起動したところは物凄く興奮するじゃない。そういうのが好きなんですよゲームしてる人たちは。何故その機兵を見てバトルさせてくれないのか……。
　技選択の時にロボが動いてるけどそこじゃないんだよな……残念ながら、考えている間はそんなところ見ない。

　RPGプレイヤーとしては必殺技的なのも欲しいし、それも無いのでカットインとかも無いし……（カットインなんて自由に○ボタンで飛ばすとか、オプションでオンオフ切り替えとかできたらテンポがどうとかも言われない）。
　起動の所はあるけど、いやそっちじゃないという感じ。それロボじゃなくてキャラのカットインだし、普通にノーマルでストーリー進めてる程度じゃ見れるものでもない。壊れないもん……。

　ジャンルは違うSRPGだけど、スパロボを少し参考にしてよとは思った。
　ロボット描けるスタッフいないってのを見たけど、なら勉強してとしか。
　この戦い自体もゲームだから表示もシンプルで良いんだよっていう擁護も見たけど、流石にそれはただの言い訳だと思う。

　どうしてもADVがメインな作品で、RTS部分はおまけか？と思ってしまうような設定と表現に見えてしまった。
　プレイしてて、いっそADVだけでも良いのではって感じてしまったのが残念かな。楽しめなかったわけじゃない、つまらないわけじゃないんだけど、捻りと大きな魅力が足りない。

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●総評

　確かに面白かった。
　謎が積みあがっていくのも、一つずつ切り崩して……かと思ったら最後にどどどーっと怒涛の展開で謎が全て綺麗さっぱり無くなっていく作りは素晴らしい。
　後から補完するためのチップスは非常にしっかりした作りになっていて、これを読みながら二周目というのは非常に乙なものだと思う。

　キャラクターも個性が強すぎず、でも弱すぎず、各キャラの絡みも非常に自然で「なんでそんなことするの？」というのがない。


　またヴァニラ特有の温かみのある水彩風のグラフィックは何度見ても良いものだって思う。キャラクターも可愛いしね。キャラのグラや動きは流石の出来。

　ヴァニラ自体は自分は応援しているので、今回は買う時には「初報だけ見て残りの情報はシャットアウト（必ず購入を決めてるゲームはプレイ前の宣伝は見ないようにしてる）」でプレイし始めたのだけど、お陰様でシステムから驚かされてばっかりだった。


　それは良い意味でも、悪い意味でも、という言葉が付くのだけれど。


　ストーリーは中身は良いものの、いちいち操作を要求してきたりぶつ切りにされたりで集中して見れない。
　戦闘部分はシンプルかつ爽快に作ってあるが、バランス調整の悪さと、プレイヤーへの情報が足りないのとで面白さをいまいち見出しづらい。

　そもそも原点の話になるが、ADVとRTSがいまいち噛み合ってない感じもして、ADV進めたいのにRTS強要されたりするのがプレイ意欲を削がれる要素だった。選択式なのに選択できないじゃんという。なら、選択式止めて一本道にしてくれた方がまだ盛り上がって良い。一本道RPGが好きなので、どうしてもイベントで高揚した時にそのままボス叩きたいって、そう思ってしまうんです。



　まあ、なんだかんだ言いながら、P5R終わってから一気に進めたわけですけども……！

　化け物作品であることは間違いない。

　人を選ぶ要素を存分に含んでいるので、合う人はもうめちゃくちゃハマるだろうし、ダメな人はとことんダメだと思う。


　次のヴァニラの作品も応援してます。