ポケ迷宮。
ネッツの端っこにあるヴィオののんびり日記的な旧時代的個人ブログ。大体気に入ったゲームについて語ってます。
貴方は自分の生について考えたことがありますか?
人間が何故この宇宙で生きているか考えたことがありますか?
この前書いたバテン以上に今更感がある超名作RPGだけど、レビュー書きます。今なら600円でPSStoreでDL出来ますしね。
1998年2月11日に発売され、自分は10/29-11/9にプレイしていました。
パッケージには赤字でXと書かれた強烈な印象の本作品、プレイしたことがなくてもパケだけは知っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな人たちにこの作品に触れてもらえるようにレビューを書きました。よろしければお付き合いくださいませ。
クリアまでの時間は50時間ほどです。PS版ではディスク二枚組になっています。
自分はPS2で本作品をプレイしていました。
主人公フェイを中心に世界を紐解いていく物語
「己が人の命を絶ち、
その<ししむら>を食ひなぞ
する者はかくぞある……か。」
この台詞はゲーム中のとある人物が呟いた言葉です。 宇治拾遺物語の吾妻人生贄を止むる事からの引用文で、現代語に訳すとかなり恐い内容ですね。ししむら、とは肉叢と書きます。
このゲームは主人公フェイが辺境の村ラハンで穏やかに暮らしているシーンから始まります。
そこから事件が起きて、主人公が旅立ってボーイミーツガールする……と、よくあるお話ですが、その「よくあるお話」で済まさないのがこのゼノギアスという作品です。
「聖剣伝説が出ない理由、FFとは異なる可能性 そして、ゼノギアス」
当時はこの衝撃的なキャッチコピーがテレビCMで流れていました。
FFも聖剣伝説も当時スクウェアの看板RPG。なんとそれらにこのゲームは匹敵するのだと謳ったのです。
実際にプレイしてみて、自分は確かに聖剣伝説LoMをプレイした時のゲームの良さを思い出しました。なるほど、これは名作だ、と。決して豪語してるだけのキャッチコピーではないことを思い知らされました。
ちなみにこのゼノギアスは元々FF7の没案だという裏話がありますが……これも有名ですね。
「次世代サイバネティックRPG」というだけあってSF要素はかなり強いです。主人公達はそれぞれ専用のロボット、所謂ギアを操作することも出来ます。このギアによる戦闘もできますが、その内容については後程説明しましょう。
そして、このゲームの凄いのが、あっちの勢力とこっちの勢力の単純なドンパチだけではなく、裏のそのまた裏まで綿密に設定されていること。心理学や哲学などの知識が無ければ描けないようなところまであるところ。とにかく奥が深い。
奥が深いからこそだと思いますが……伏線がとにかく膨大で、専門用語すら一周目で全て覚えることは難しいです。
正直、今までやったRPGの中で一番設定資料集が欲しくなりました。かといって裏設定があるとかではなく、ゲーム内で全てを帰結させています。この膨大な伏線を、余すことなく。
はっきり言って膨大過ぎて頭の中がパンクしてしまうレベルにまで達しています。それほどまでにこのゲームの話は濃厚でいて味があるのでしょう。
ストーリーを支えるゲームを超えた魅せ方もしているのがこのゲームの特徴の一つ。
その一つがアニメーションです。なんとその長さ30分にも及びます。しかもこれが中々にクオリティが高いんです。
そしてもちろん、アニメーションがあるならボイスもあります。と言ってもイベントではほとんど声もなく(たまに悲鳴が入るが戦闘ボイスの流用)戦闘で攻撃したとき、された時のみです。
難点を言うのであれば、ディスク2のゲーム作りでしょうか。これは製作期間の影響からストーリーを簡易なサウンドノベル方式で進ませてしまっていること。都合上質ではなく簡潔を求めて制作した意図が伺えます。当時スクウェアではFF7終了後のFF8制作やゲーム業界で有名なあの映画などで人が動くこともあり、ゼノギアスはぎりぎりで詰めたようです。
一人一人が大切な要素であるメインキャラクター
主人公フェイとヒロインのエリィの他にも何人かはパーティとして一緒に行動します。
それぞれにストーリーがあって台詞に痺れたり泣かされたりしました。これもストーリーがしっかりと作られているからこそ、キャラクターが活き活きと出来るのだと思います。
ただ、先程も言ったように製作期間の短縮によりカットされたシーンもあり、その為に皺寄せを喰らったキャラもいます。終盤なんてなんでこいついるんだっけ、なんてのもいたりいなかったり。
スタンダードな生身戦闘、燃料と相談しながら戦うロマンあふれるギア戦闘
ではまず、ドットキャラ達が戦う生身戦闘の方の話からしましょう。
このゲームはコマンド戦闘です。ただしターン制ではなく素早さのステータスによってそれぞれ敵味方の順番が回ってきます。
大事なのはこの素早さ、というものがキャラ一貫で固定であるということ。レベルがあがっても変化しません。唯一アクセサリーで強化できます。
この速さというのが1違っても体感でかなり差が出ます。遅いキャラが一回行動する中、早いキャラは二回行動してるということもザラ。そんなわけで、この要素はキャラ格差を広げるだけのものになってるような気もします。
攻撃では、行動ポイントを消費しながら戦います。、キャラのターンが回ってくるごとにPSコントローラーの□△○に対応して小攻撃、中攻撃、大攻撃があります。攻撃が大きくなればなるほど、威力があがり、また外しやすくなります。それに、この組み合わせによってドットがめちゃくちゃ動くかっこいい必殺技が見られます。
ただこの行動ポイント、一々全て使い切らなくても良いんです。途中で攻撃を止めればその行動ポイントの分だけAPに回ります。
APとはAttack Pointのことで、このAPによって連殺というものが使えるようになります。必殺技を連続で出せる連殺では絶対に攻撃を外すことはないというメリットがあります。逆に言ってしまえばそれだけですが。
特殊能力というキャラ固有のものもキャラによって非常に差があります。基本的には全員個性が出てて使いやすいですが、一部使いにくいキャラも。
総まとめすると、
1.ドットが凄い動く(個人的には戦闘に入る時に主人公が屈伸する動作が好き)。SEも良くて非常に気持ちいい。
2.キャラ格差がひどい。主人公より強いキャラがいるが、最初から最後まで間違いなく最強ってのがいる。
続いてギア戦闘。これもコマンド戦闘ですね。
ギアはドットではなくマップと同じポリゴンで描かれています。
また、生身と違って機械らしく燃料というゲージが増えています。
これは回復するところが限られており、いくつかの拠点やダンジョンにいる補給ロボットぐらいしかありません。
そしてこの燃料、無くなると当然ギアは動きません。……が、実はギアは半永久機関を使っているのでチャージというものを選択すれば回復は出来ます。が、とてもじゃないですが回復量がしょっぱくてまあ使い物にはなりません。
HP回復も非常に限られています。燃料と同じで一部の場所でしかできない他、このHPを回復するには先程説明した燃料が必要不可欠なのです。ガス欠だからとチャージに回っていると攻撃する余裕もなくなりそのままじり貧に……ということもあります。
なのでギア戦で求められるのは早期決着。HPも燃料も減らさないようにさっさと戦うのが吉であるということ。
それを手助けしてくれるのは生身にはない要素にブースターというもの。毎ターン燃料を少しずつ使う代わりに行動順を早くしてくれます。毎ターン燃料を使う、といってもさっさと倒すことを目指すなら使わない手はありません。ボス戦に入ったらまず使う、ということも多かったです。
ただ装備次第で気軽に高火力が出せるのも一つの特徴かなと。一部のキャラは装備で容易にカンストダメージが出せます。逆に言えばうまくいかなければそれだけギア戦闘は苦戦するでしょう。HPないー燃料もないーなんて戦闘は何回かしたことあります。そういう時は大体諦めた方がいいレベルなので素直にリセットしまし自分はぱっとょう。
ギア戦闘総まとめ
1.限られた回復方法しかない燃料やHPの管理をしながら戦うので、常に緊張した戦いになる
2.約20年前のポリゴンながら、動きはとてもロボットらしくかっこいい。SEも生身同様に素晴らしい
光田康典氏によるゲームに色を与える音楽
ストーリーを良いものだと思わせるのには場面の見せ方、キャラクターの台詞以外にもあります。それは聴覚に訴えるSE、それと音楽です。
特に本作ではイベントシーンの曲が非常に素晴らしく雰囲気をよく出しているものが多い印象でした。
光田氏といえばやはり「クロノトリガー」が有名でしょうか。クロノトリガーもそれぞれのテーマ曲などのイベント曲、良かったですよね。
個人的に非常に満足しているのがフィールド曲ですかね。のびのびとしていて穏やかで、いつまでも聴いていたくなりました。
総合評価
ゼノギアスって何処が面白いの?って言われたら自分はすぐに「隙のない世界観の構造だ」と言うでしょう。
そしてその世界観を支えてくれる演出、台詞、キャラクター、アニメーション、音楽、すべてにおいて高水準だと思います。
そういったところが長く支持されている理由だと思いましたし、自分もこの作品のことを忘れないでしょう。ゲーム上で主人公フェイやヒロインのエリィの物語が終わっていても、自分の中にはいつまでも居続けるでしょう。
また、戦闘は特に特出したところもないコマンド戦闘ですが、だからこそ安心して遊べるのではないでしょうか。凡であるにしろキャラドット、SEは最高峰だと自分は思っています。
英語でちょっと見づらいかもしれませんが大体こんな感じの作品です、と戦闘の動画だけ貼ることにしましょう。
ちなみにこれは音声も海外の方の者ですね。日本だと主人公は緑川光、(この動画にはいませんが)ヒロインは冬馬由美が声を担当しています。
この記事を見て少しでもこの「ゼノギアス」という作品に興味を持っていただけたらと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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