ポケ迷宮。
ネッツの端っこにあるヴィオののんびり日記的な旧時代的個人ブログ。大体気に入ったゲームについて語ってます。
旅 立 と う 。 き みだ け の 物 語 へ ――
「OCTOPATH TRAVELER (オクトパス トラベラー)」
2018年7月13日、アクワイアが開発し、スクエニが販売したSwitch向けRPGである。
発売して二遊間が経ったが、パッケージが11万本売れ、各地で品薄だと聞いている。
今時新規RPGで初週で10万売れるのは珍しい。それだけ、「古き良きRPG」を求めている方が多かったのかもしれない。
スタッフクレジットが流れるまでにかかった時間は40時間程。
現在のプレイ時間は70時間。まだ旅は続いている。
この記事では、
「どうしてオクトパストラベラーは1日10時間ぶっ通しで遊び通すことができるのか?」
その原因について語りたいと思う。
以下、本作品はオクトラと呼ばせていただきたい。
戦闘システムやストーリーについてはこちらの記事を読んでいただきたい。
「OCTOPATH TRAVELER クリア後感想レビュー(ネタバレ無 2/2
懐かしいのに新しいストーリー、戦闘、音楽」
長過ぎるわ!って方は上記の記事の一番下のまとめだけ読んでください。
【プレイヤーデータ】
・主にRPGをプレイしてるが、対戦ゲーや、音ゲー、パズル、アクション等雑食プレイ
・RPGで重視しているのはキャラクター、次に戦闘システム、次にストーリー&音楽
・好きなRPGはDQ、軌跡シリーズ、テイルズシリーズ、世界樹シリーズ等。今までハマったRPG戦闘はアークラ、TOR、TOD2、TOGf、#FE等。
まずはこの動画を見てほしい。
今年のE3で公開された公式動画だ。
この動画で少しでも興味をもたれたなら、是非この記事を読んでほしい。
そして一人でもオクトパストラベラーを買うきっかけになればと思う。
この記事で話すのは、
「どうしてオクトパストラベラーは1日10時間ぶっ通しで遊び通すことができるのか?」
ということである。
ストーリーや戦闘システム、音楽については、以下の記事で紹介しているのでそちらを参考にしてほしい。
☆ボリュームが増えただけがゲームの進化では無い
このゲームについて少し調べた時に驚いたのが、「ゲーム黄金時代に作った人たちが作ったわけではない」ということだった。
逆なのだ。
「ゲーム黄金時代に遊んでいた人たちが作った作品」だったのである。ファミ通のインタビューで音楽を担当した西木康智氏は「RPG直撃世代」と言っている。
SFC時代は数々の名作RPGが生み出された。クロノクロス、FF4~6、DQ4~6、聖剣伝説、スーパーマリオRPG、MOTHER2、ロマサガ3……なんだかんだで殆どスクウェア、エニクス作品なわけだが、ドット絵の景色や音楽、その中で展開されたストーリーに魅了され、毎晩日付が変わる時まで遊んだ方もいるだろう。
ポリゴンに変わりつつあるがPSもRPG黄金時代の系譜はあった。
64やPS2からは少しずつ名作RPGと呼ばれるものも減っていったように思う。ゲームジャンルが増えてRPGする層が減ったというのもあるが……。
自分がRPGに触りだしたのはこのRPGが減りだした頃だ。
自分のRPGの出会いは「ドラゴンクエストⅦ エデンの戦士たち」だった。
延期に延期を重ねPSがもう終わろうかどころかPS2が出た後という時期に出たPS作品で、旧世代機にも関わらず根強いドラクエ文化のあるこの国で400万本も売った作品だ。
その癖の強い暗ストーリーとシステムから世間的評価は二分する作品ではあるが、当時の自分……いや、今までの自分に非常に強い影響力がある作品だ。
このゲームの影響か、自分がRPGに求める要素にグラフィックは一切入ったことがない。
グラが綺麗なゲームをやらないわけではない。中身面白いついでに景色が綺麗なら感動こそすれ得をしたなと思えるくらいでビジュアルの進化は特に求めたことが無かった。
だから、本記事でもオクトラのグラについては語らない。その点については承知してもらいたい。
↑自身にとって欠かせないRPG。自分のRPG観はある意味この作品を中心として出来ているかもしれない。
いずれドットのゲームは終焉を迎え、頂点数の少ないポリゴンは少しずつ緩やかな球を描くようになった。
グラの進化によってまるで映画のようなイベントシーンがRPGで実現することになった。等身大の街を歩く事が出来るようになった。自分もゼノクロやワンダ、ゼルダBotWで写真撮影の旅に出たことはよく覚えている。PCのデスクトップ画面にしたりもしている(因みに今はDQ11のスクリーンショットが壁紙で一週間前はゼノクロだった)。RPGではないが、最新作の初音ミクは1000枚くらいのスクショがPS4とスマホとPCに入ってる。見た目の感動は確かにあるし、自分はそれを楽しんでいるのも間違いない。
でも、必ずしも見た目が綺麗とゲームとしての面白さはイコールではない。
グラフィックの進化によって得られたのは心を揺さぶる素晴らしい景色だけではない。
ゲームによってはそれが長いロード時間や広過ぎる地獄のようなマップ、外側だけ繕った中身の無い作品に換算される。
丁度約一年前に出たDQ11は3DS版とPS4版がある。自分はどちらも購入したが、まず3DSの2D、つまりドットで遊んだ。街やダンジョンの構造が判りやすくすいすいと3日でラスダンまで行った。その後PS4で遊んだが、正直に言うと頭の中にドットで遊んだ時のマップが叩き込まれてなければ早々にストレスが溜まっていただろう。ロード時間が長いということもあったが、特に自分は方向音痴な癖に、迷う時間すらめんどくさい。だって物語の続きが気になる、早く進めたい、やり込みはクリア後にやれば良い。そう思っているからだ。
↑PS4版だと入口で無駄に長く歩かされた港町。ものが多いから歩いている最中にロードをしているのでは、と言われてはいるが……あまり来たくない街ではある。
「めんどくさい」「手間だ」
RPGに面白さを感じながらもシステム面に対してそういう感情がある作品が多かった。
それだけで減点する程じゃないにしろ、あまり良く思ったことも無い。村人全員に話しかけるのは基本的に好きだが、段々めんどくさくなると止めてしまうのも事実だ。ファルコム作品なんかは最近そのけがある。しかも話しかけないと判らない隠しクエストとかあるから余計タチが悪い。
☆オクトパストラベラーを暇があれば遊び倒していた理由は「シンプル」であること
では本作、SFC世代が懐かしいと思うドットを中心とした「古き良きRPG」に見えるこのオクトパストラベラーはどうだろうか?グラも悪ければ中身も悪い、ゲームと呼べない代物になるのか、日付が変わるまで遊んだ懐かしいゲーム達と並ぶのか。
自分は、オクトラのダンジョンを最初に探索した時は心配になった。
何しろ明確な地図が無い。右下にレーダーはあるが細かい道はそれでは判らない。セーブポイントとマップ切り替えポイントの方向だけは書いてあった。近付けば大きく表示されるから距離は判る。しかしそれ以上のことは無い。
自分はこのゲームでも迷子になるのだろうか、そう思った。
それでもクリアした今まで迷子になったことが無いのだ。めんどくさいから飽きた、というのが全く無いのだ。
それはフィールドでも街でも、ダンジョンでも全く同じ事だった。
それどころかずっと道が続く限り歩いていたいとさえ思った。
ではその飽きる事無く好奇心を刺激する理由はなんだろうか。
4つにわけてご紹介したいと思う。
@1つは単純なことだが、マップの視認性が高いことだ。
道の見易さに加え、レーダーと合わせて、大体そっちに行けば目的地に着くように出来ている。
これは単純にデザイナーさんが良い仕事をされている。暗く見える洞窟や森の中でもこの道わかんねぇよ!ってキレる案件が無かった。宝箱は歩いていればほとんど見えるし、ちょっと隠された道があっても宝箱の位置からこの辺に道があるな、って言う事が解る。ケチケチし過ぎないマップは美しい構成をしている。
↑左の通路は行き止まりで宝箱がある状態。暗いダンジョンでも通路が判りやすく広過ぎないため、迷子になる事は無かった。
@2つ目はメニューを開けばすぐ見られる世界地図。
これは良く見ると情報が沢山ある。
↑ぱっと見ただけでも多くの村や街が見られる。そしてその数以上にダンジョンが存在する。じっくりとマップを眺めて次はここに旅に行こうという気にさせてくれる。
ストーリーに関係の無いダンジョンだって当然だが地図に描かれているのだ。あれ、ここは洞窟か?と行くと洞窟があったりする。この感覚は正にゼルダBotWで感じたものだ。あの作品も地図を眺めて「な、なんだこの迷路みたいなのは……」と絶句して興味心で向かい、そのまま探索してしまうゲームだった。
もちろん、来たばかりの時では到底勝てないような敵が眠っていることもある。ダンジョンやフィールドは切り替える前に相手の何となくのレベルが解るため、1つの指標として探索してほしい。それに、意外とヤバい奴がいたダンジョンって覚えているものである。
↑左下に「危険度 LV45」と書かれているが、これを見た当初は平均レベルが25レベル程だった。道がある限り進むのか、慎重にまた後でと思うのかはプレイヤー次第。
そして3点目。
@めんどくさくない
フィールドやダンジョンの飽きない魔力の大きく占めるところが、
「変な仕掛けが無い」
「長過ぎない」
「必ず行きつく先に宝箱がある」
「移動速度が速い」
ということ。たったこれだけでまさかここまで快適に探索できると思わなかった。
逆に言えばそれぞれに大きな特徴が無いとも言えるが、途中まで行ったのに引き返さないと通れない仕掛けがありましたとかなんかよりはずっと良い。歩く事に損の無い設計になっているのだ。
村や街もそうで、広過ぎるとはまず思ったことが無い。気軽に「街の人に話しかけるかぁ」と思える程度の広さ。リアルな街を想像するならあまりにも狭すぎるが、ゲームとして合理的な広さを保ってくれているのは間違いない。そして、自分の場合はその方が何倍もやり込みがしたいと思える。
更に人里にはもう一つ探索する気持ちを損なわせないものがある。
@4つ目の飽きない要素は、各キャラクターが使用できるフィールドスキルである。
例えば商人であるトレサがパーティにいる場合、街の人から持ち物を「買取る」ことが出来る。お金がある限り、現時点では手に入らないようなとても強い武器が手に入るのだ。
が。
もちろん、金が無ければ仕方無い。この話はご破談で……。
ということも出来るのがこのゲーム。
盗賊のテリオンのフィールドスキルが「盗む」というもの。文字通りタダでアイテムをいただけるものである。
しかしこれには盗める確率というのが存在し、本人のレベルとその街人に設定されているレベルの差が大きければ盗む確率が0%というのもあり得る。ただ、3%とかでとても強い武器が手に入るのなら人間誰しも挑戦したくなるものである。ソシャゲのガチャで1点狙いするより高いし。
しかしそんなに何度もチャレンジはさせてくれない。5回失敗してしまえば街と我が旅人達との関係は悪化し、今度は「買取る」ことすらさせてもらえなくなるのだ(付け加えると、会話文が変わったりすることは無い)。
こうなってしまったらもう酒場に駆け込んで「お願いしますこの街の人とまた仲良くなりたいんです」と賄賂……いや、お金を渡して関係性を改善するしかない。するとまた、フィールドスキルが使えるようになるので盗みを……失敗して、酒場へ……ということも無くは無いわけだが(抜け道としてセーブ&ロードで回避できたりはする。メニューからタイトルに戻ればロード作業もそんな大変では無かったり)。
これが、フィールドスキルにおける正道と邪道の違いである。
8人の主人公がいるのだから、このフィールドスキルも4パターンあるわけだ。
因みに内容は、
正道 | ⇔ | 邪道 | |
買取る | ⇔ | 盗む | 物のやり取り |
聞き取る | ⇔ | 探る | 裏情報の入手 |
試合 | ⇔ | けしかける | 戦闘 |
導く | ⇔ | 誘惑 | 連れ歩く |
※正道はレベルが足りなければ出来ないが、失敗は無い。
※邪道はレベル次第で成功確率が上がり、失敗がある。
これが、街を歩きたくなるトリックの一つだ。
レベル上がったらまた村や街で新しい発見があったり、サブクエストが進んだり、強い装備をゲットできたりするわけだが、何度も行くのめんどくさくない?という意見もあるだろうと思う。
ただ、3点目で行ったように1つの街は広くない。探索が苦になる事が無いのだ。ちょっと街中で探し物をしたって5分もかからないのだ。ただただ快適なのである。
以上、
@マップの視認性が高い
@見るだけでワクワクする世界地図
@めんどくさくない
@フィールドスキルによる人との交流
この4点が「どうしてオクトパストラベラーは1日10時間ぶっ通しで遊び通すことができるのか?」の答えになる。
もちろん戦闘システムや耳から入る情報以外についてもこれを後押ししてるわけだが……。
その前に、システムに関して惜しいと思う事も言っておこう。
かなり気になるのが、ダンジョンや街を踏破したかどうかが確認出来ないところ。
宝箱がいくつあっていくつ入手したか、街の人からどれだけ物を頂いたかというリストがあれば尚コンプ欲が刺激されただろう。
また、街やダンジョンにも、ファストトラベル用のリストのようなものもほしかった。気楽に飛べるもののあれここじゃないな、と思う事も少なくなかった。流石にマリオオデッセイのようなパンフ方式まで凝る必要は無いが、地図を片手に旅をしているのだから「ここは市場があって賑やかな街だ」とか「ここは貴族の○○が統治している穏やかな街だ」とか、それくらいの言葉くらい欲しかったかなと思う。
こういった10時間ぶっ通しで遊べる要素に自分がオクトラを隅々までしゃぶり尽くしたいという欲が出た。自分の知らないことを先人から教わりたくないと思わせる魔力が本作品にはあったのだ。
街に行く度に盗む確率が増えてないかな……なんて話しかけまくりながら、その人の事を調べると「あれ?これあのサブクエストの話に出てた悪者か?」となって試合を申し込んでぎったんぎったんにしてスッキリして次の街に行く。
シンプルなのに、プレイヤーを貪欲にさせる良く出来た仕掛けだと、自分は強く思った。
戦闘システムやストーリー等の内容に関しては次の記事でお伝えしよう。
「OCTOPATH TRAVELER クリア後感想レビュー(ネタバレ無 2/2
懐かしいのに新しいストーリー、戦闘、音楽」
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