ポケ迷宮。

ネッツの端っこにあるヴィオののんびり日記的な旧時代的個人ブログ。大体気に入ったゲームについて語ってます。

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SSにすら満たない自己満短編小説。
 閃の軌跡Ⅱ、初創作小説です。
 しかも推敲もあんましてない。しかも2時間ぐらいしかかけてない。辞書もそこまで開いていないので文としてはだいぶ稚拙。これあげないと寝ないぞ!って意気込んでたからちょっと急いでたりね。なにせもう2時だし……寝たい。
 フィーエリオット中心です。特にカップリングではないはず。
 後ごめんマッキー、あまりに短編過ぎて入らなかった。







とある朝の、わたしとあなた


「へくしゅっ」
 覚醒して、第一声に聞こえたのが自分の声だった。次にがこんがこんと定期的なからくり音が聞こえる。部屋はそこまで広くないのにあちこちに木箱や木材などが積んである。その中央では歯車が回っている。
 ここ数日の寝起きの風景だ。壁を背に膝を折って座り込んで寝てしまったらしい。昨晩はどうしたんだっけ、確か夜にトリスタ方面に視察へ行って、相変わらず機甲兵が立ちふさがってるのを確認してここ、風車まで帰ってきて、……そのまま?
「う……」
 身体がぶるっと震え、身体にかけていた毛布がずれ落ちる。露になった脚に空気が触れ慌てて毛布に手を伸ばす。身体が寒いような暑いような、とにかく頭が混乱してその辺がよく理解できない。多分寝置きなのもあるだろう。部屋もそこまで明るくはなく、重たいからくり音が頭の中でわんわんと響いている。
 周囲に人の気配は無く、どうやらこの場にはフィー一人のようだった。
(風邪かな……)
 毛布から片手を出し額に手を当ててみるがよく解らない。当てた手を支えに傾く頭をゆっくりと膝につけた。
 何年ぶりだろう、風邪をひくなんて。自分で身体は丈夫な方だと思っていたので迂闊だった。もしこれが猟兵家業をしている時だったら仕事をする上でこんなことあってはならないことだ。今はあの頃の仲間と一緒ではないが、それでもフィーにとっては何ものにも変えられない仲間と共にいる。彼らに心配はかけたくない。
 ……外に出よう。余計な事を考える前に身体を動かそう。そう思い毛布をばさばさと脇に寄せて、立ち上がる。一瞬立ちくらみのようなものがあったが、それもすぐに収まる。大丈夫だ、外の空気を吸うくらいなら。
 頼りない足取りで出入り口の扉へ歩く。目の前に来て壁と同じ色をした木製のノブを回そうとしたところで、勝手にそのノブが動いた。
 外に向かって扉が開き、太陽の光を逆光に中背の人間の姿が床に映った。向こうは扉の向こうに人がいるとは思ってなかったのか、身体を縮こまらせてうう、と眉を曇らせて唸っていた。びゅっと外で風が吹く音が聞こえ、彼の橙色のコートが翻る。こちらの姿を見て、あ、とそこで初めて気付いたように笑顔になって、
「おはようフィー」
「おはよ」伸ばしかけた手が中途半端に空中に浮いたままフィーは応えた。咄嗟に会話が浮かばず、彼と一緒にいると思っていた少年の名前を出す。「マキアスは?」
 紅い髪の毛を持つ少年は「偵察中」とフィーの左後方を指した。振り向いてももちろん壁しか見えないが、その向こうには街道がある。
「そっか」
 自然公園の方か、と自分の中でそのことを変換しながら、目の前の少年に「エリオットは?」と問いを重ねる。「僕?」自分を指差してきょとんとされ、「うん」とフィーは念押しする。
「僕は……」
 と何故か中途半端なところで会話を止められる。一歩、二歩、と距離を詰められ、そのまま彼は後ろ手で扉を閉めてしまい、日光に慣れかけていた瞳が視界を白く滲ませる。
 頭痛で痛む頭に負担がかかるこの現象に思わずフィーは目を閉じる。
 その刹那、肩に何かが触れた。びくりと痙攣して頭を上げると、冷たい何かが額に触れる。色々と突然のことだったので身体を後退させようとして、だが眩暈がその行動を邪魔して上手くいかなかった。いや、それだけではない。肩から力が伝わった。どうやら掴まれているらしい。
 それだけ脳内で整理して目を開けると、朝焼けに照らされた草原のような若緑の両の瞳がこちらを見ていた。
「フィー、やっぱり熱があるでしょ」
 隠そうとしてたのに、平然を装っているつもりだったのに、ちょっとしか会話してないのに今日隠そうと思っていた秘密がばれてしまった。風邪はともかく、熱だとやはり顔色で解ってしまうのだろうか。
 顔をそらしてあぐねていると、エリオットの方から「フィー」といつもより低い声色で催促された。自分も意固地だが、エリオットが同レベルでそういうタイプであることをフィーはこれまで一緒に過ごしてきた中で解っている。
 こくりと頷こうと思った時、肩と額から感触が失せた。衣擦れをさせてエリオットはコートを脱ぎ、こちらの肩にかけた。
「せめてこれ羽織ってて」
 エリオットは穏やかにそう言う。「今日の朝はお粥なんだ、卵入りのね」と続けて笑った。
「今日はマキアスはケルディックに泊まる予定だったし、僕も着いていくから薬買ってまた戻ってくるよ」
 そう言ってエリオットは踵を返した。何か言った方が良いのかな、と口を開きかけたところに「ちょっと座って待ってて」とばたんと扉を開けて外へ行ってしまった。
 座っててと言ってもここには椅子はない。熱があると解ってる人物をひんやりとした床や木箱に座らせるのかと少し思ったが、先程被っていた毛布があったのを思い出す。座布団代わりに木箱に敷いて、フィーはちょこんとそこに座った。さっきまで被っていた毛布なのでまだ保温の分温かい。これは背中から感じる橙のコートも同じだった。
 朝食をわざわざ病人向けの、消化の良いお粥にしたっていうことは多分フィーが起きる前からばれてたのだ。そういえば昨晩も外から帰って疲れて座り込んだだけで、そこからの記憶は無い。
(毛布もエリオットが掛けたのかな……)
 今にして思えばその行動をした記憶が全く無い。隠そうと思ってたことが決意する前からばれてたとは情けなかった。
「へくしゅっ」
 頭がまだぼーっとするし、額に手を当てるとその温度差にびっくりする。やっぱり熱なのかな、お薬は……エリオットが買うって言ってたっけ。自分で買いに行こうと思ってたのになぁ。
 がちゃ、とデジャビュのする物音がした。もちろんそれは紅毛の少年によるもので、一旦少し隙間が空いてから、勢いよく百二十度くらい扉が回る。
「っと」
 エリオットが滑り込んで中に入ってくる。その両手はタオルで覆っており、その上を湯気を出したスープ皿が構えていた。
「はい、これ食べてあったまって」
 隣に腰をかけてエリオットはタオルごとこちらに差し出す。ふわり。ご飯と卵の匂いと、それから湯気が顔にかかる。出来立てだ。
「……いただきます」
 エリオットから受け取ったスプーンで粥を一口掬い、息を三度ほど吹きかけてから口に運んだ。口の中でご飯が踊り上手く口が閉じられなかったが、何度かそうしているうちに次第に大人しくなって、フィーの喉を通っていった。
「どう?」
「ん、美味しい」
「良かった」
 白い歯を見せてエリオットは笑った。屈託のない笑顔で。
 それからエリオット自身が睡眠時に使っていた毛布をコートの上に更にかけてきて、それからお粥を作っている釜の様子を見てくると言って外へとまた出て行った。
 フィーは皿にスプーンを伸ばし、またその中身を口に運ぶ。この温かさの中にはきっとぬくもりが入っているのだろう。
 今までは誰かに心配かけないように……そう考えてきた。自分のことは自分で、そうしないと置いていかれるって、そう思ってた。
 たまには心配して貰うのも良いかもしれない。
 自分に笑いかけてくれる人がいるまでは。






 エリオット書きたいなー→女の子と絡ませたいなー→フィーとなら一緒に行動してたし書きやすいかなー→フィーあれ絶対寒いよなー→フィー視点かなー。
 別に恋愛だと思って書いてなかったのに、何かそれっぽいっつうか、どっちかというと少女漫画みたいになってしまった。

 トリスタ攻防戦から少しばかり、ケルディックに辿りついたエリオットマキアスフィーの三人のとある朝です。まだ来たばっかで、状況とか情報とか整理して、服調達してルート確保とかするか、みたいなことして数日後ってところ。

 当方、熱を出した事がないので熱の描写は本当に大変です。判らなくて。本当になんでこれにしたんだ。

 何はともあれフィーもエリオットも可愛くて好きです。
 そういやフィーって猫っぽいから猫舌なのかな、と思ってたり。作中ではその表現は控えめにしたけども、もしそうだとしたら可愛い。

 こういう掛け合いもあったかもしれないんだろうなーって思いながらまたゲームをしていただけると幸いです。

 コメントや拍手してくださると嬉しくて飛び跳ねます。



拍手コメント返信(12/30
>クリスさん
 拍手、ならびにコメントありがとうございます。
 フィーとエリオット良いですよね。Ⅶ組で17歳より下はエリオットフィーミリアムだけなので、ついこの三人で色々やってるのを考えてしまいます。
 拙い作品ではありますが、読んでいただきありがとうございます。コメントとても励みになります。

拍手[3回]

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